平日半額はお父さんの味方?!


 マクドナルドは、あくまでも「平日半額」にこだわる。単純に考えれば、土日などの休日は黙っていても客が来るが、その週末・休日の集客に比べれば、平日の集客力が弱いということを背景とした価格戦略なのだろう。
 この戦略は当たっているらしい。価格を下げることで、1個あたりの利益額は下がるが、それを上回る販売量 の増加があり、結果として全体の利益額も上がるのだ。
 コンビニエンスストアやファミリーレストランとの熾烈な競争の中にあって、ある意味では「やらざるを得ない」戦略なのかもしれない。

 こうした企業サイドの目論見はともかく、このマクドナルドの「平日半額」戦略は、一般 家庭の消費行動に変化をもたらし、その変化はお父さんのお小遣いを結果として増やすことに貢献している。

 一般的な「夫婦2人・子供あり世帯」では、家族揃っての外食は当然に週末中心の休日が多くなる。マクドナルドのファミリー・ユースも当然ここに集中している。そもそも外食は高くつくという印象が主婦にはあり、夫に内緒でご近所の主婦仲間と外食する場合の他は、平日はあまり外食しない。
 しかし、「半額」ということになれば話しは別だ。幼稚園から帰ってきた子供を連れて、マクドナルドで簡単に昼食を済ませるということが増えてくる。
 逆に、平日なら半額で食べられるのに、わざわざ週末に家族揃ってマクドナルドに行こうと考える主婦はいない。いきおい、子供を持つ主婦のマクドナルド利用は平日に限られ、週末は別 のファーストフード店に流れるか、あるいは内食ということになる。

さて、こうした家庭の消費行動で注目したいのが、「誰がレジでお金を払うか」という点である。平日に子供を連れてマクドナルドに行った主婦は、当然自分で払う。しかし、週末にお父さんと一緒に行けば、多くの場合、お父さんが自分のお小遣いからお金を出す。
 ということは、「平日は半額だから、お得だ」という判断で、平日にマクドナルドを利用する主婦が増えると、これまではお父さんの財布に頼っていた外食費の一部が、家計に転嫁されることになる。このことは同時に、週末に家族のために支出していたお父さんのお小遣いが、お父さん個人の可処分所得として留保できるようになることを意味している。

 現にわが家が、その恩恵に浴している。以前は、週末になると、「今日のお昼はみんなでマックに行きましょう!」ということになり、子供たちも「わーい、マックだ」となって、家族揃ってマクドナルドで昼食となる。その際は決まってお父さんがお金を払っている。(これって、食費負担だろうに)と思いながらも、強くは抗議できず、理不尽なものを感じながらも、ついつい払ってしまうのである。
 ところが、ある週末。「今日は久しぶりにハンバーガーが食べたいな、マックでもいこうか」と言うと、「平日なら半額なのに、週末に行くのはバカらしいわ」といって、お父さんの希望はあっけなく却下される。ふだんなら「わーい、マックだ」となる子供たちも、おそらく平日、おやつがわりに食べる機会が増えたせいだろう、ぜんぜん、「マック」という言葉に反応しない。
 改めて、家庭におけるお父さんの購買意思決定力の弱さを痛感するとともに、(待てよ、これって、ひょっとしたらラッキーかも?!)と思い至った。そう、これまでお父さんが理不尽に思いながら負担していた週末の食費は、「お父さん負担」という義務から解放されたのである。

なんとまあ、すばらしいことではないか。マクドナルドはお父さんの味方なのだ。

 

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